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ふであと

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徒然なるままに、もの書き。

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第四章 「光の英雄」_33 

 微震に満たされた通路を抜けた先に、ドミニカはエドアルドを見つけた。だがそこにあったのは、震動よりも不快ななにかだった。
「なんだい、これは……」
 エドアルドを覆うのは禍々しく揺れる月印の光。黒く汚れたその光はまるで――
「封印騎士と同じ……?」
 その声が聞こえたのか、エドアルドがドミニカを見遣る。闇をたたえて赤く光った目に睨まれたと感じた直後、咆哮を上げたエドアルドが大剣を振り下ろした。
 剣の間合いのはるか外、衝撃波が床を粉砕して押し寄せてくる。咄嗟に横に飛び退いたドミニカの本能が槍を構えさせたが、予想された追撃はなく、その目には悶絶するエドアルドの姿が映る。
 月印が燃え上がるように光を放ち、それを押さえ込もうとエドアルドが身をよじる。その姿に一つの推論を立てたドミニカは、自分の月印に視線を落とした。
「月印の……暴走か?」
 あり得ない話ではない。そういう話を聞いたことがないわけじゃなかった。
 だが今はそれを考えている時間はない。
 直後、ドミニカの思考を遮るように部屋全体が激震し、部屋の奥で天井が崩れ落ちた。瓦礫が次々と降り注ぎ、その下にあった転送陣を閉じ込める。
 ドミニカは舌打ちをした。くそ、あれじゃ上に行けない……。
 一瞬の後悔の後、ドミニカはすぐに頭を切り換えた。戦場では迷っているものから死んでいく。その経験が彼女の意識をいま出来ることに集中させた。
「坊や、アーヤに何かあったらただじゃおかないよ……」
 それを後悔の最後にし、月印を発動させたドミニカは床を蹴ってエドアルドへ飛びかかった。説得できるような状況でないのが明白なら、考えられる対処法も一つしかない。
 身もだえていたエドアルドが遅れて剣を振り下ろす。びりびりと皮膚を焼くそれを紙一重でかわし、身をひねったドミニカがエドアルドの懐に飛び込むと、腹に強烈な一撃を叩き込んだ。遠慮のない一撃が禍々しい光ともどもエドアルドの意識を寸断する。気を失って崩れ落ちた彼をドミニカは担ぎ上げた。
「ったく、世話のかかる男だね」
 びくりと痙攣したエドアルドを見て頬を掻きながら、ドミニカは手に持った槍を捨てて、来た道を返した。
 自分に出来るのはここまでか……。さらに上に行ったのであろうアーヤとカペル、それにシグムントが無事であることを願いながら、揺れの激しくなった通路をドミニカは駆け戻った。

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