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ふであと

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小説Fallout3 『じいさんとベルチバード』_02 

 第二回の更新です。
 終わりまで書くと言っていましたが、案の定書けてません……申し訳ない。
 今作は四章構成を予定しているんですが、とりあえず今日はその二章までです。一章の続きと二章を分割してアップしますが、せめて一章を書き終えてから第一回を更新すれば良かったとちょっと後悔中です。後で修正してやらないと。

 第一回はこちら→
 廃棄部品を集めてウイリアムじいさんの家を訪れたアラン。じいさんは半年前と変わらず、《ベルチバード》の修理をしているところだった。

 今回はその日の夜からです。

 では小説Fallout3『じいさんとベルチバード』の続きです。
 どーぞ。





「おまえがこうやって無事に帰ってこられるくらいだ。ウェイストランドも多少は平和になったか」
「こう見えても、それなりに腕は立つ方なんですけどね、俺」
「ふん、多少腕が立とうが関係ない。死ぬやつは死ぬ。それがウェイストランドだ」
「今も昔も、ね」
 干したバラモンの肉を適当に切り、じいさんの出した二つのグラスにビールを注ぐ。憎まれ口で互いの無事を祝しながら、二人はささやかな晩餐を始めた。
「じいさんの腰痛に」
「成長せぬ廃棄部品収集業者に」
 風でガタガタとうるさい小屋に、グラスの触れる澄んだ音が響く。
 小汚いテーブルの上に並ぶのは、汚れた食器に盛られた肉とぬるいビールの入ったグラス。どれも微量ながら放射能汚染されているのは、言うまでもなくこの世界で生きながらえている者の常識だ。多少の放射能汚染を気にしていては、飢えて、干からびて、のたれ死ぬ。
 世界を崩壊に導いた核戦争が残したものは、瓦礫と死体と汚染された食べ物ぐらいなものだ。そんな世界で生き延びていけるのも人間なら、そんな世界を作り上げたのも人間なのだから、業が深いと言わざるをえない。
 毒を喰らってでも生きていく。文明の大半を失った人間には、今更きれい事を並べる余裕なんてないのだから。

「……で、今回はずいぶん時間がかかったじゃないか。どこへ行った」
 口汚く罵るわりには、ウイリアムじいさんは旅の話を聞きたがる。じいさんももういい歳だから、自分で旅に出るわけにもいかないのだ。コミュニティとは断絶された場所で暮らしていても、外の世界が気にならないわけではないらしい。
 いや、外の世界が気になるから、というわけではないのかもしれない。
「他人と会話をすること自体が人間にとって娯楽となる。なぜなら人間は社会的生物だから。一人じゃ寂しくて生きていけないのよ」と旅先で知り合った学のある女が言っていたのを思い出し、「その娯楽の大半を自ら奪った当時の人間は、よっぽど戦争が楽しかったんだろうな」と答えたときの彼女の微笑が脳裏をよぎる。
 戦争も会話も、他人がいなけりゃ出来ないところは一緒だな……。
 こんな場所で一人暮らしをする物好きで口汚くて無愛想なじいさんでも、他人と話すのが楽しかったりするのだろうか。グラスを揺らして聞く体勢に入ったウイリアムじいさんを見れば、少なくとも楽しくないということはなさそうだ。
「今回は大変だったよ。西の外れの方まで行ったかな。そうそう、崩れかけのビルの中で何を見たと思う。あれはきっと幽霊ってやつだね」
「幽霊?」
「強い記憶の残留物、残留思念っていうのかな。そういう実験場だったみたいなんだけど」
「……わからん」
「俺も」
 半年ぶりの他愛のない話は深更まで続いた。

【小説Fallout3『じいさんとベルチバード』】
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