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ふであと

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徒然なるままに、もの書き。

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小説インフィニットリディスカバリー第二部_01 

 執筆中に何を考えていたかを再確認する「小説インフィニットリディスカバリー」、第二部編にございます。最終話の更新後、読者の方から感想や叱責をいろいろいただきまして、なかば反省会の様相を呈しながらの解説となります。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 それではまいりましょう。まずはこちらから。





――プロローグ

 今回、一番最初に書いたのがこのプロローグでした。
 全体の流れが決まるよりも早く、まずは今回のコンセプトになるような一幕を思うままに書いてみようと思い、最初に頭に浮かんだのがこのシーン。月の雨の中ではしゃぐヴィーカと、それを見守る兄。そのお兄ちゃんがぽつりと呟く「……月の雨だ」というセリフ。これを思いついた瞬間に、ヴィーカと、ヴィーカのお兄ちゃんの運命は決まってしまったのかもしれません。
 ここだけは第七稿まで書いていたりします。そのせいで何がいいのかわからなくなり、結局、採用されたのは第二稿改でした。




――書き出しはいつも雨

 さて、第一部の更新後、いただいた感想などに舞い上がって第二部を執筆することにしたわけですが、一度途切れた緊張感を取り戻すのにはそれなりの努力が必要でした。処女作だったこともあって、自分の文章をすでに忘れていた節もあり、思い出し思い出しの作業は遅々として進まず。気持ちのリセットの意味も込めて書いたのが、小説Fallout3「じいさんとベルチバード」でした。

 執筆の出だしは陰鬱な雨のごとく、ぎすぎすしたパーティーの状況もあって、気分が乗ってこない。第一稿ではヴェスプレームの塔からの帰還直後から物語は始まることになっていたのですが、失意の凱旋、それぞれがカペルに語るシグムントへの思い、ばらばらの再出発という流れは重いというか勢いがないというか、第二部を別の一つの作品として書きたかった僕としては、それを冒頭に採用するわけにもいかず、結局は、次の目的地へと向かう途中から物語を始めることにしました。
 ジーナさんとバルバガンはここしか出番が無かったんですが、没になって完全に出番なしになってしまいました……ごめんなさい。書いてはいたんですけどね。第一部はほとんど没シーンがなかったんですが、今回は展開がほぼオリジナルだったこともあってそれなりの数がゴミ箱へと放り込まれました。


 そんなわけで、第一話は近況をカペルに地の文でしゃべらせつつ、最後で月の鎖を見つけることで物語の始まりを意識してもらう、という構成にしたわけです。




――カペルですが、馬車内の空気が最悪です

 ザラにたどりついた一行を待っていたのは、パーティー内のそれを映したかのような重たい空気。このあたりはとにかく意識してエドアルドを中心としたギスギス感を出すのに必死でした。というのも、今回の主要な人間関係の一つ、カペルとエドアルドの距離感をしっかりと書いておかないと、最後の仲直りでの充足感が足りなくなってしまうと思っていたからです。

 カペルはぼんやりとしながらも解放軍に居場所を見つけていきます。その横で、あったはずの居場所を失っていくエドアルド。基本がのんびり屋のカペルとは対照的に、真面目なエドアルドはどんどん自分を追い込んでいってしまいます。この二人の対比は、テーマの一つでもありました。




――カペルの過去

 ここは残すか残さないかでかなり迷ったところです。ゲーム中でははっきりとしたカペルの過去は描かれていませんでした。だから、自分で勝手に書いていいものかどうかと……。だけど、カペルの過酷な被差別体験と今のパーソナリティをつなぐためにどうしても必要なシーンだったので残しました。
 アーヤに対して「奴隷みたいにー」というエピソードを語るサブイベントがありましたが、これが事実だと今のカペルにうまくつなげられないと思い、このエピソードはあくまで冗談だったということにしました。ただ、アーヤの反応を考えると、新月の民を奴隷として売り買いする事実は存在しているのがこの世界の現状なんでしょう。第一部でバザールには奴隷以外ならなんでもある、という一文を書いたんですが、それはこの現状を暗に示すためのものだったりもします。

 さて、劇中に描いたカペルの過去に関してですが、これは第一部を書いているころからすでに決まっていたものでもありました。
 被差別体験による心の痛みと、それには救いがあるということを教えてくれた育ての親、その救いは永遠のもではないと理解せざるを得なくなった育ての親の死、その余韻を引きずって飛び出した旅で見たのは、現実の厳しさ。
 それらを踏まえた上での物語が始まる頃のカペルの心情を、諦めが身体に馴染んだ、という表現で表してみたつもりです。飄々とした態度はその表れですが、そういう態度のすぐ下には優しさから来る熱さみたいなものを隠しているというのが、この過去で醸成された彼のパーソナリティなのです。主人公ですから、そういう熱さを意識して書きました。

 カペルは痛みを知っている。だから他人を思いやることもできる。そして、痛みには救いがあることを知っている。それがエドアルドの苦しみを救うための原動力になるような演出ですね。そのために必要なシーンでした。カペルはへたれで通っているので、エドアルドを助けようとすることに説得力を持たせようと、初期段階から少しずつ刷り込んでいく必要があったんです。




――大人の女

 冒頭で書くはずだった、それぞれがシグムントへの思いをカペルに語るシーンは、まとめて一度にやると流れが悪くなると思い、劇中にちりばめるようにしてみました。海から帰ってきたカペルは、その夜、浜辺でミルシェさんを見つけます。彼女が最初なのは、シグムント様に対する思いが強いから、というのもあるんですが、第一部最後の場面で、内面の激しい感情を抑えきれず、カペルを無視するような態度をとらせたので、早めにそのリカバリーが必要だったから、という理由もあります。

 第一部からそうですが、ミルシェさんには「大人の女」という役割を割り当てています。シグムントという夫を失った未亡人的なポジションのつもりなので、悲しみを抱えながらも気丈に振る舞う大人の女性、という雰囲気を出したかったのですが、果たして出てたのかどうか。




――私をセラゲに連れてって

 第五章最後には、セラゲに向かう封印騎士たちの姿を描写しました。ゲーム中ではレオニード帰還復活の様子が語られていませんでしたが、シグムント様が再登場するのがセラゲだったことを踏まえてレオニードもそこにいたと仮定。セラゲ側からはこちらの世界への扉を開くことは出来ないので封印騎士たちがハイネイル一人を生け贄に捧げて扉を開放。お迎えに上がるという流れです。
 第一部最後の戦いでレオニードはこれを一人で開けたわけですが、同じことを出来る人はいません。ソレンスタムさんやスバル女皇にも出来ないのです。
 小説中の設定では、セラフィックゲートは月の神に拝謁するために通らなければならない試練の道、ということになっています。ベラ信仰が浸透するにつれ、逆にそういう直接的かつ危険な信仰の方法は廃れていき、セラゲの存在はほぼ忘れられていることになっています。レオニードはベラオタクなので、どこかでその方法を知ったのかもしれません。

 そんなわけで、重鎮であるイスケンディバルはお留守番として、サランダ、ドミトリィ、ニエジェランのヴェスプレームの塔で戦った封印騎士トリオがお迎えにあがることに。ニエジェランがザラにいなかったのはそのためです。彼には第二部冒頭で敗れてもらうわけにはいかなかったので、そういう意味でも都合が良かったと言えます。このトリオはけっこう気に入ってたりするので、セラゲでの熾烈を極めるバトルの様子も描写したかったですね。




――第五章の役割

 第五章を起承転結で言いますと……、実のところ、起にはなってないんですよね。第二部としての物語は第六章から動き始めるので、いわば第五章は第一部と第二部との繋ぎにあたるわけです。そういう役割を意識できずに書き始めていたせいか、第五章は正直しんどかった……。
 ちなみに、第五章のサブタイトルは「心の壁、心の闇」にしたんですが、当初は「確執」というタイトルで書いていました。確執、発病、裏切り……、そんな暗いタイトルばかりが並ぶのもどうかと思っていろいろ試行錯誤した結果ですが、やっぱり名付けが苦手です。俳句とかもそうですが、短い文章で内容を端的に表すというのはセンスが必要。長文馬鹿の僕にはそのセンスが欠けていると、そう思います。

 そんな第五章とは違い、物語が動き出した第六章は書きやすかったです。次回はその第六章のお話。コメディーパートを交えつつ、後半に向けての伏線をいくつか仕込んでいる大事な章だったりもするのですよ。
 それでは次回。
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テーマ: 二次創作:小説

ジャンル: 小説・文学

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