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ふであと

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小説インフィニットリディスカバリー第二部_04 

 執筆中に何を考えていたかを再確認する「小説インフィニットリディスカバリー」、第二部編にございます。最終話の更新後、読者の方から感想や叱責をいろいろいただきまして、なかば反省会の様相を呈しながらの解説となります。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 何を書こうかと迷っている内にちょっと時間が経ってしまいましたが、第八章です。二回に分けてお送りします。




――戦闘シーンへのこだわり的なもの

 第八章は戦闘シーンばかりなので、まずはそれを書く上で心がけたことを書いておきます。
 僕が戦闘シーンを作るときに心がけていることは一つです。それは「会話をさせる」ということ。敵とでもいいし、味方同士でもいい。自分の中のもう一人の自分に問いかける、なんて形式でもいいと思いますが、とにもかくにも喋らせることが戦闘シーンには必要だと思っています。

 というのも、戦闘シーンにとって一番重要なのは、「彼らがいったい何のために戦っているのか」ということを読者に理解してもらうことだと考えているからです。小説が他のメディアより優れているところといえば、登場人物の心理描写の精緻さだと思います。反面、戦闘のような動きのあるシーンを描写するだけなら、漫画やアニメ、映画のような媒体には勝ちようがない。

 だから、「会話をさせる」ことが重要になってきます。戦闘シーンとは、つまるところ互いの肉体と感情がぶつかり合う場所だと考えているので、その感情の側面を強調するために重要なのが「会話」なわけです。「カペルは剣を振り抜いた」という一文からさまざまなメッセージを読み取ってもらうために、僕は「会話をさせる」ことを意識しています。

 この第八章は最初から最後まで戦闘シーンが続きます。その中にあって登場人物たちは何を思うのか。ここまでひたすら仕込み続けた苦悩、葛藤の向こう側にたどりつくための戦闘シーンです。




――エドアルド、発病

 エドアルドの発病にヴィーカが関わるというのは、第二部の最初期に決定したものでした。ヴィーカが解放軍に参加するための強烈な理由を作るために必要な要素として盛り込んだ「エドアルド発病の引鉄を引く」という場面。これがラストバトルのトリガーとなります。

 そんな中、お人よしの多い解放軍の連中は、薬をすり替えたのがヴィーカだとわかっても恨み節を言う前に、まずは状況に対応しようと動き出します。その中で「あのガキか」と毒づくキリヤの存在は、一般的な反応を提示するという点で非常に大事です。物語的な嘘っぽさを少し中和させるための常識的なリアクションとでも言いましょうか。スイカにぶっかける適量の塩的なポジション……かな?
 ともかくこの発病が、ラストバトルの始まりを告げる鐘の音となって、ケルンテンの街に響き渡ったわけです。




――ヘルドの登場とヴィーカの後悔

 そのエドアルドの暴走と時を同じくして、ヴィーカがヘルドに薬を渡してしまいます。ヘルドの存在は第六章の最後やキリヤとソレンスタムの会話でちらつかせてありましたが、顔出しはここが最初ですね。
 今回のテーマは「リバスネイルと月の雨」になるだろうと考えた時点で、ヘルドがラスボスになるのは必然だったかもしれません。その二つを研究するヘルドの存在はレオニードにとっても有益で、ヘルドはレオニードに忠誠を誓うわけでもなく、むしろ利用して自分が強くなろうとしていたわけですが、レオニードはレオニードでそれを利用しようとしている。そんな関係にあったのではないでしょうか。

 ともかく、ヴィーカはヘルドに騙されたことに気付きます。正確には、わかっていたのに自分を騙して微かな希望にすがっていた、ということを気付きたくもないのに気付かされたわけです。人間、弱っていれば何かにすがりたいと思うのは必然ですからね。兄を失ったヴィーカはそこまで追い込まれていたのでは、と想像したわけです。
 そんなヴィーカをさらに追い込むのが、第六章で見たエドアルドの人間味ある一面。子供たちの頭を撫でる彼の姿に、きっと兄の姿を重ねたことでしょう。そのエドアルドが、今度は自分のせいでリバスネイル化してしまう。後半戦では兄をもう一度目の前で失う経験もさせました。ヴィーカにはずいぶんひどいことをしましたね……。

 このシーンは、エドアルドの暴走と同時に描くことによって物語全体のテンポを上げる役割を担っています。状況が始まるところからの加速感がパニック映画の醍醐味ですからね。




――師弟の再会

 喧騒の中での二人の邂逅シーンで湿り気を出しながら、蜘蛛の群れを召喚することで、ケルンテンがパニックに陥っていく様子を描くシーン。ソレンスタムは逃げたヘルドを追うことを決断。それを皮切りに、解放軍一行はそれぞれの役割をこなすべく走り出します。
 それぞれの役割を、というのはシグムントがエドアルドに言った言葉でもあります。直接言われたのではないにせよ、他のメンバーの中にもシグムントのその言葉が根付いているような印象を持たせる、というのをパーティー分割後のそれぞれの戦いでは意識して書いているつもりです。シグムントさんは背中で語っていたわけですね。
 物語途中で退場する兄貴分というのは、えてしてそういう役割になりますよね。

 さて、ヘルドとソレンスタムの関係性については、戦闘中の心理描写でだいたい書いたかと思います。ヘルドを突き動かしていたのは、ソレンスタムへの憧憬です。それは執着へと形を変えて現在へとつながったわけですが、実は、第二部の裏のテーマがその「執着」だったりもします。
 シグムントへの執着がリバスネイル化を引き起こしたエドアルド。
 兄への執着が今回の事態を引き起こしたと言ってもいいヴィーカ。
 そして、師への執着から力を求めたヘルド。
 この三つの執着が絡み合って今回の事態となった。そんな風に考えながら物語を組み立てた次第です。




――二人のリバスネイル

 エドアルドとは別に現れた、すでに透明化してしまっている二人のリバスネイル。これは新月の民の悲劇性を描くための出演ですが、二人にしたのには二つの理由があります。

 まず、相手をするのがドミニカさんということもあって、それなりに強い相手が必要だったこと。無名の新月の民がリバスネイル化したところで、その強さをイメージさせることができるかどうかに不安があったため、二対一のハンデ戦にすることにしました。
 第一部でもそうでしたが、キャラ設定上、彼女にはどうしても重要な役が回ってきます。少し距離を置いた位置から冷静に解放軍を見守る姉御肌。そんな立ち位置と、近接キャラゆえに戦闘シーンが描きやすいというのもあってこの扱いなわけです。
 リバスネイルに遭遇した後に言う「私の相手はおまえか? 名も知らないリバスネイル」というセリフは、書いている身としてはけっこう印象に残っていたりします。状況を的確に判断しながら、目の前の戦闘も楽しもうという頼もしさ。姉御って感じですよねー。

 ちなみに、月印を使わない素の戦闘能力という意味では、ドミニカさんはシグムントさんの次くらいを想定しています。以下、トウマ、バルバガン、エドアルド、コマチ、カペル、一般兵士、アーヤ、魔法使い系といった感じでしょうか。これが月印込みとなると話が変わってくるんですが。それでも一位はシグムントさんですけどね。

 もう一つは、この新月の民は消えたコバスナの集落の住民なのですが、そこから死なずにリバスネイル化した人たちが複数いる印象を与えたかったことです。これは、第八章最後のシーン、イスケンディバルが無人に見える牢獄を見て物思いをするシーンにつながります。あそこにいたのは残りのリバスネイル化した住民たちで、彼らが復活したレオニードに引き連れられてどこへ向かうかというのは、ゲームをプレイした人ならすぐにわかるかと思います。そこにつなげたかったのです。




――パーティー、分割しました

 前回もそうでしたが、解放軍は人数が多いので、いざ戦闘となるとどうしても分割せざるを得ないのです。

 今回は「カペルVSエドアルド」「ソレンスタムVSヘルド」が最初に決まっていたので、まずはカペルに付随する形でアーヤ、ソレンスタムにはキリヤ、という二人の配置が決まりました。次いで、ヴィーカは今回のキープレイヤーなので、必然的に鎖の台地の方で戦うことが決まります。これで大きく二つにわけられました。

 残った連中の方にも敵を用意します。それがクイーンスパイダーとリバスネイル。クイーンスパイダーにはハルギータ組をぶつけることにしました。トウマとユージンが共闘する相手として、二人の距離感+コマチ以外の感情を入れたくなかったので、相手はモンスターの方が都合が良かったわけです。
 そして、新月の民との関わりあいから、リバスネイルにぶつけるのはドミニカさんになります。第一部最後でエドアルドの暴走手前を見たドミニカさんに、リバスネイル化について心当たりがあるような演出を施したんですが、それが彼女の今回の役割につながっていきました。
 ルカロカはグスタフとセットでバルバガンの代わりをやらせることに。子供なので過酷なバトルに放り込むわけにもいかない、というのは第一部でも同じでしたね。それに加えて、今回は仲の良かったバルバガンの代役を二人にやらせることで、感情的なつながりがあることを演出したかったというのもあります。

 そして、この組み合わせになるように状況をつなぎ合わせていったのが第八章の前半部分にあたるわけです。苦労したのは、透明化したリバスネイルを可視化するまでカペルを動かせなかった点ですかね。それを流れの中に取り込むために、かなり構成をいじり倒すことになりました。わりと書きながら決めていく部分も多いので、今の形に落ち着いたのは第八章を書き始めてからでしたね。


 というわけで、長くなったのでこちらも分割。
 次回、後半戦です。
 それでは、また。
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テーマ: 二次創作:小説

ジャンル: 小説・文学

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