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ふであと

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徒然なるままに、もの書き。

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第三章 「新月の民」_12 

 一人で護衛をするということには、多少の不安は残っているが、彼らだけで行かせるよりはましという見方もある。いずれにせよ、放っておくことは出来ないと感じて自分から言い出したからには、やるだけやるしかないとカペルは考えていた。
 本当は、シグムントが考え直してくれないかと期待していたのかもしれない。他人に期待するなんてらしくないなと自嘲しながらも、いくらか失望を感じてしまうのもまた本当の気持ちだった。
 だから、アーヤがこう言い出したときは驚きもしたが、嬉しくもあった。
「わ、私も行くわよ!」
「……なんで?」
「あんた一人で行かせたら逃げちゃうでしょ!」
「信用無いなぁ」
「カペルなんだから、当たり前でしょ」
「また随分とひどいおっしゃりようで……」
「よろしいですか、シグムント様?」
「ああ。アーヤ、君に任せる」
「ありがとうございます!」
「あーあ、せっかく逃げ出すチャンスだったのに」
「バカなこと言ってないの!」
 理由はともかく、彼女が来てくれることは心強い。道中のモンスターはここに来るまでにあらかた片付けてはいたし、これならなんとかなりそうだ。
 不安な顔を並べている村人たちを鼓舞する意味も込めて、カペルは努めて明るく振る舞った。
「じゃあ皆さん、行きましょう!」
「……あんたたちだけで、本当に大丈夫なのかい?」
「大丈夫ですよ、たぶん」
「たぶんって、あんた……」
 村人達を促し、カペルとアーヤは最後尾につく。さっき助けたファイーナという少女が弟と一緒にいる姿が見えた。
「でも、あんたがこんなこと言い出すなんてね。どういう風の吹き回し?」
「言ったでしょ? 寝覚めが悪いのが半分、逃げ出したかったのが半分、ってところかな」
「バカ……ふふふ、まぁいいわ。ありがと、カペル」
「ん? そこでアーヤがお礼言うの?」
「いいから行くわよ!」
「そうそう、行くよ、カペル!」
「行っくよー!」
 気がつけば、足下にはルカとロカがいた。必要以上に元気なのはいつものことだが、今はいつにもまして機嫌が良さそうに見える。
「何、二人も来るの?」
「シグムントがついていけって」
「おめつけやく、だって!」
「ああ、そう……」
 さすがは光の英雄。子供の焚きつけ方もご存じのようで……。それで張り切っている二人は、カペルたちを追い越して先頭に行ってしまった。
「カペル、どしたの?」
「ああ、うん。なんだかんだで気を回してくれているんだなぁと思ってさ。お目付役っていっても、ようは援軍でしょ?」
「そりゃ、見た目だけそっくりな誰かさんと違って光の英雄だもの。優秀なリーダーは部下への配慮を忘れないものよ」
「ですよねー」
 アーヤも僕に配慮して欲しいものだと、カペルは切実に思った。

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