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ふであと

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徒然なるままに、もの書き。

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第三章 「新月の民」_15 

 アーヤは村人たちの方へと走りながら、月印を発動させた。
 右手が赤く光ると炎が吹き出し、それがやがて一本の矢に収斂する。
 弓を水平に構えて矢を引き絞ると、炎が弓に沿って横に広がり、鳥の翼を模した形に変形した。
 カーディナル・クローク。
 このオラデア砂丘にいた聖獣、鳳凰を模したアーヤ渾身の技だった。
 狙いを定め、モンスターが射線に重なる瞬間を狙って矢を放つ。
「当たって!」
 赤熱する火の粉をまき散らしながら、炎の鳥と化した矢が飛翔する。射線上のモンスターは次々と焼き切られ、断末魔が一直線に連なる。アーヤはカーディナル・クロークの軌道に出来た道を駆けて村人たちのところへ飛び込んだ。
「ルカ、ロカ!」
「アーヤ!」
「ここは任せなさい。二人は村人を連れて走って」
「うん、わかった!」
「気をつけてね、アーヤ」
 ルカが捕らえたのだろう、クマの背に乗った二人を見上げながら、アーヤは笑顔を返す。
 数は多いが、それほど強いモンスターはいない。双子が村人達を連れて駆けるのを確認したアーヤは、腰の矢入れから矢を引き抜き、モンスターの群れに正対した。
「さあ、かかってきなさい。私が相手よ!」
 言うなり大蛇が喉を鳴らしながら飛びついてきた。その頭を、アーヤは思い切り蹴り上げた。月印の力を乗せた蹴りが、蛇の巨体をふわりと浮かび上がらせる。蛇が空中で身動きのとれなくなったところに、アーヤは至近から矢を打ち込んだ。
 はじけるように蛇は後方に吹き飛ばされ、そして絶命する。
 その方向に人影が見えた。怪我をしているのかしゃがみ込んでいる。逃げ遅れた村人らしい人影に向かって走りながら、アーヤはそれがファイーナであることに気づいた。
「ファイーナさん、大丈夫!?」
 ファイーナを助け起こす。怪我はしていないようだった。
「は、はい。でもレイムが」
 ファイーナが言うと同時に足下の砂が跳ね上がり、インプ・フィッシュが飛び出してきた。牙をむき、ファイーナの喉めがけて直進する。
 アーヤは咄嗟に矢入れから矢を引き抜くと、たたきつけるようにしてそれを突き刺した。インプ・フィッシュはぼとりと音を立てて砂の上に落ちる。
「あっちはカペルが行ったわ」
「で、でも」
「レイムくんなら大丈夫よ。あいつ、やるときはやるやつだから」
 安心させようと笑顔で言うと、不意にファイーナは目をそらして言った。
「……カペルさんのこと、信頼しているんですね」
 私が、あいつを?
 思っても見なかった言葉に一瞬たじろいたアーヤは、カペルの走っていった方へと視線を流した。
「……かもね」
 遠くを見つめながらアーヤは言った。何故かわからないが、ファイーナから表情が見えないようにしていたかった。

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