06« 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.31.»08

ふであと

  : 

徒然なるままに、もの書き。

スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
スポンサー広告  /  tb: --  /  cm: --  /  △top

第三章 「新月の民」_18 

 アーヤに遅れて駆けだしていたカペルは、その声を岩壁の上に聞いた。
 ショートの赤毛に切れ長の目。動きやすいように簡略化した甲冑を身にまとう姿は、岩壁から降りる動作を見ても戦士のそれだ。最初は男かと思ったが、声を聞く限りは女性だった。近づいてみれば、頬や身体のラインからも彼女が女性だということは明瞭で、男と間違えたなどとは口が裂けても言えなかった。
「ドミニカ、どうしてこんなところに?」
「アーヤがまた無茶をやってるって聞いてね。急いで来たらこの有様だよ。まったく……ん?」
 彼女はアーヤの知り合いらしい。かなり親しそうにしている。
 そのドミニカの視線がカペルに止まる。
「ああ、違うわよ、ドミニカ。それはシグムント様じゃなくて、ただのカペル。偽物の方よ」
「アーヤさん、もう少し言い方ってものが」
 カペルの抗議なんて、アーヤは聞いていやしない。
「それは知ってるさ。なんせ、その光の英雄に聞いて来たんだからね」
 ドミニカが助けに来てくれたのは、ルカロカに続き、またしてもシグムントの配慮のようだった。こんなに気の回る人だとは、最初は全く思わなかったが、今は特に意外にも思わなくなっている。
「ドミニカだよ。傭兵をやっている。よろしくな、坊や」
「カペルです。どうも」
 差し出された手を握る。やはり女性の手だった。
「ふうん……なるほどね」
 握る手を離そうとせず、ドミニカは含みのある目でカペルとアーヤを見比べる。
「?」
「……坊や、アーヤのことをよろしく頼むよ」
「あ、はい」
 いまさら何をよろしく頼まれたはわからないが、カペルはとりあえず曖昧に返事をしておいた。
「じゃあ行きましょう。ファイーナさんも歩ける?」
「はい。さっきはありがとうございました」
「うん」
 頭を下げるファイーナに、アーヤが満面の笑みで答える。二人とも無事だ。レイムにも大きな怪我はない。
 今回も何とか無事に切り抜けられたらしい。
 カペルは一つ、大きく息をついた。

【小説インフィニットアンディスカバリー】
【Prev】/【Next】
スポンサーサイト

テーマ: 二次創作:小説

ジャンル: 小説・文学

コメントの投稿

Secret

△top

この記事に対するコメント

△top

トラックバック

トラックバックURL
→http://amaenovel.blog78.fc2.com/tb.php/59-91d865c6
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

△top

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。