05« 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.»07

ふであと

  : 

徒然なるままに、もの書き。

スポンサーサイト 

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
スポンサー広告  /  tb: --  /  cm: --  /  △top

第四章 「光の英雄」_05 

 夜の城内は、耳が痛くなるほどに静かで、道に迷うほど広かった。
 トイレを借りたはいいが、さんざん探し回ったせいか、自分の部屋がどこかわからない。仕方なしに、カペルはふらふらと誰もいない廊下を歩いていた。
「また得体の知れぬ者たちと旅に出るのか。落ち着かないな」
「ずっとお城に閉じこもっていろって言うの!? それじゃ何も変わらないじゃない!」
 せっかくだからと最上階まで上ってきたカペルは、光の漏れだしていた一室から声がするのに気づいた。趣味は悪いと思いつつも、気になって中を覗いてみる。
 アーヤがいた。彼女の父親である炎鳳王シャルークと王妃も一緒だった。
「あの方はハルギータ女皇国の後援を受けておいでです。ブルガス王も認めてくださったわ」
「コモネイルであろう」
「だから何だって言うのよ!」
「コモネイルは所詮、我らハイネイルの庇護下で戯れているに過ぎん。そなたにもわかるであろう、アーヤ」
「わかりたくもないわ!!」
 激高しているアーヤとは違い、王の表情は変わらないように見える。王が黙っていると、王妃が諭すように言った。
「アーヤ、お父様はあなたのことを心配して仰ってるのよ。お父様はあなた以上にあなたのことを理解しておいでです。わきまえなさい」
「何もわかってないじゃない……。ハイネイルにこそ、人間の気持ちなんてわからないのよ!」
「アーヤ……」
 沈黙が三人の間を満たす。
 やはり、アーヤがフェイエールに帰りたがらなかったのは両親との諍いが理由なのだろうか。
「アーヤ、儀式は受けぬのか?」
「またそれなの……」
「あなたは炎鳳王シャルークの第一子なのよ。それを忘れてはいけません」
「母様まで……」
 母親までも敵に回してしまったアーヤは、力なく肩を落とした。
「もう行きます……」
 話は終わりと、アーヤは両親に背を向けた。そして、カペルのいる出口へと足早に歩き出す。
 まずい、見つかる……。
「う、うわぁあ」
 咄嗟に隠れようとしたカペルだったが、間に合わず、足がもつれて尻餅をつく。情けない声も出る。
「カペル! ……あんた、こんなところで何してるの?」
 アーヤに見つかってしまった。カペルはなんとか言い訳をしようとあがいたが、後ろめたさからか、頭が回らない。
「ト、トイレに行ったら部屋がわからなくなって、そ、それで何か声が聞こえたからふらっと近づいたら……ははは……」
 さっきよりも大きく肩を落とすと、アーヤはこけたままのカペルを見下ろしながら言った。
「……ちょっと付き合って」
「は、はい」

【小説インフィニットアンディスカバリー】
【Prev】/【Next】
スポンサーサイト

テーマ: 二次創作:小説

ジャンル: 小説・文学

コメントの投稿

Secret

△top

この記事に対するコメント

△top

トラックバック

トラックバックURL
→http://amaenovel.blog78.fc2.com/tb.php/69-7ec82911
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

△top

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。