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ふであと

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徒然なるままに、もの書き。

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第四章 「光の英雄」_09 

「シグムント様ー」
 代金を払い、アクセサリー屋を立ち去ろうとした時だった。
 つい最近あったばかりな気がする状況に嫌な予感を感じながらも、カペルは声の方を振り返った。
「はぁ、はぁ……。シグムント様、お助けくださいー」
「ジーナさん、僕ですよ。カペルです」
「えっ? ああ、道理ででこんなところで惚けた顔して油売っていられるわけ……って私また失言を」
「で、どうしたんです?」
 話が長くなる前にカペルはジーナの言葉を遮った。
「グスタフが見つからないのですよー」
「グスタフってアーヤのペットの? まだ見つかってないんですか?」
「きっと悪い人に連れ去られちゃったんです。それで解体されちゃったんですよ。毛皮は市場に並べられて、肉は鍋に放り込まれて……私、姫様になんて言ってお鍋をお出しすれば……」
「鍋かぁ……」
 そういえば昼食がまだだった。
「よだれ、よだれ。間抜けが引き立っちゃいますよ……って私また! 申し訳ありません……」
「いや、もういいですから」
「それで、グスタフを捜すのをカペル様に手伝っていただきたいんです」
「えー、やだよー。今からアーヤのところに行こなきゃいけないのに」
 行かなければならないことはないのだが、手に持ったブローチの包みを見せながら、それを理由にしてカペルは逃げだそうとした。面倒ごとはごめんだ。
「その姫様が落ち込んでいらっしゃるのですよ。グスタフがいないと言って、部屋の隅で寂しそうに両膝を抱えていらっしゃるのです!」
「ほんとに?」
「いや、膝を抱えてはいませんけど」
「……」
「と、とにかく、お願いします。でないと、私、姫様になんて言っていいか……グスッ」
 突然泣き出したジーナに、カペルは慌てざるを得なかった。大通りのど真ん中だ。人目がある。端から見ればカペルが泣かせたかのよう見えるだろう。そうなると、シグムントの評判にも関わる。
「ちょ、ちょっと泣かないでくださいよ」
「……じゃあ手伝ってくださいます?」
「やだ」
「むむむ、泣き落としもダメか」
「…………」
 やっぱり嘘泣きか。
 万策尽きたと苦悶を浮かべながら、次の方便をひねり出そうとしているジーナの隙をついて、カペルは離脱をはかった。
「じゃあ、僕行くね」
「……手伝っていただけるなら、報酬も出します! ええっと……、姫様の好みのタイプの情報なんてどうです?」
「……今なんと?」
 思わず食いついてしまった。ジーナがしたり顔をする。
「ふっふっふ、私は姫様付きのメイド。姫様のことなら、好みのタイプからほくろの数まで、全て把握しております!」
「……その話、詳しく聞かせていただきましょう。出来ればほくろの方も」

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